保護者の世代をはじめ多くの方が通ってきた対面型の塾に対して、近年増えてきているのがオンライン塾です。
新しい形態の塾なのでわからない部分も多く「オンライン塾でちゃんと勉強できるの?」と疑いの目を持っている方も多いかもしれません。
結論から言えば、オンライン塾は高校生にとって不十分ということはほとんどありません。
大切なのは自分に合う塾を選ぶということ。
この記事では、高校生向けにオンライン塾のメリットとデメリットについて詳しく説明します。
この記事がおすすめな人
- 高校生でオンライン塾の利用を検討している
- オンライン塾をなんとなくしか知らない
- デメリットを把握した上でオンライン塾を利用したい
- 自分がオンライン塾に向いているか知りたい
オンライン塾のデメリット
同じ空間に先生や他の生徒がいないオンライン塾にはデメリットがいくつかあります。
まずはデメリットを確認してみましょう。
先生から見えないところでだらけがちに
先生や他の生徒が同じ空間にいれば緊張感を持って授業に臨めますが、オンライン塾は自宅で授業を受けます。
画面越しに先生や他の生徒を確認できるものの、画面に映ってないところではだらけやすい一面も。
問題を解く手元が画面に映らなければズルをしやすくなります。
さぼっていることは先生にはわかりにくいので指摘もあまりされません。
とくに集団授業や映像配信はこのデメリットが生じやすいです。
対策
- 手元カメラで問題を解く過程まで確認する塾を選ぶ
- コーチングや定期的な面談を行っているオンライン塾を選ぶ
塾側もこれらのデメリット対策を講じています。
授業中は手元カメラで問題を解く過程まで確認していたり、コーチングや定期的な面談を行っているオンライン塾もあります。
ついだらけてしまう場合は、こうしたサポートの有無を確認してみましょう。
モチベーション維持が難しい
普段リラックスする場所の自宅で授業を受けるとスイッチのオンオフが切り替わりにくいこともあります。
自宅にいながら毎回「さあ勉強をするぞ!」とやる気を出すのはなかなか難しいもの。
また実際の校舎がないので、自習室に出向いて他の受験生のやる気を感じながら勉強することもできません。
対策
- オンライン個別指導塾にする
- オンライン自習室のサービスを利用する
授業へのモチベーション維持が難しい場合は個別指導を選ぶと、当事者意識が高まるのでおすすめです。
自習室に関してもオンライン自習室サービスを提供しているオンライン塾もあるので、活用してみるとよいでしょう。
逆に「つい友達に流されて勉強をさぼってしまう」人は、そういった心配がないので勉強に専念できます。
通信環境に影響を受ける
スマホやタブレット、パソコンなどで授業を受けるオンライン塾は通信環境がデメリットになることもあります。
多人数が接続することで回線が繋がりにくくなったり、通信機器側の不具合で音声や映像が途切れたりすることも。
もしライブで受ける授業の場合これだけで授業に参加できなくなります。
また普段スマホで授業を視聴している場合、画面が小さくて板書が見えにくいといったケースも。
せっかくやる気が出たのに、通信機器の不具合でやる気をそがれる可能性もあります。
対策
- 複数のデバイスを用意しておく
塾によっては複数のデバイスでアクセス可能な場合があります。
家の環境下で可能なら、複数のデバイスを用意しておくと対応の選択肢が増えます。
とは言えWi-Fiを家庭内で問題なく使用できていれば心配しすぎることはありません。
質問や相談がしにくい
対面授業なら授業中にわからない部分があれば、授業中でも授業後でも先生に聞きやすいです。
映像授業はその場で質問ができません。
集団授業をライブで受ける場合も、その場で必ず質問できるとは限りません。
またオンライン塾では授業後の廊下で「最近どう?」「実は先生聞いてほしいんだけど…」なんて気軽に相談することもできません。
特に受験を控えていると悩みはつきないもの。
気軽に質問や相談ができることは勉強意欲に大きく影響します。
対策
- 自宅にいても質問できるサービスを利用する
- 面談を定期的に行うオンライン塾を選ぶ
- LINEなど気軽に先生と連絡をとれるサービスを選ぶ
今あるほとんどのオンライン塾ではこのデメリットをカバーするサービスがあります
24時間いつでも質問可能なサービスを提供しているオンライン塾も多いです。
定期的に保護者面談や3者面談を行っている塾もありますし、LINEなどで気軽に先生と連絡が取れることも。
先生に対面で質問や相談をしにくい子にとってはむしろメリットになるかもしれませんね。
健康への影響に不安が残る
スマホやタブレットでの学習時間が増えることで「視力に影響がないか」「身体への悪影響はないか」といった懸念が増えます。
デジタル機器を使い続けることで健康への悪影響が出るかははっきりとは言えない部分ですが、不安な気持ちもよくわかります。
対策
- 休憩に電子機器を使わない
休憩時間にスマホを見ないこと。
リラックスタイムはスマホNGにして、目を閉じて目と脳をしっかり休めたり、ストレッチなどして身体をほぐすようにしましょう。
オンライン塾のメリット
どんどん増えているオンライン塾には多くのメリットがあります。
学費の安さ
一般的に対面の塾と比べてオンライン塾は費用が安いです。
これは校舎がない分、維持費や設備費が不要のため。
その分浮いたお金で、集団授業ではなく個別授業にしたりして学習環境の充実に充てられるかもしれませんね。
ただ、中には手厚いサポートで対面の塾よりも学費が高いオンライン塾もあります。
料金はかさみますが難関校を目指している場合は、手厚いサポートで実績を出している塾も選択肢に入れてみてください。
時間を有効活用できる
オンライン塾は自宅で受けられるため、通塾の分の時間を勉強に充てられます。
通塾に片道30分かかり、週に3回、1カ月通ったとします。
片道30分×2(往復)×週3回×4週間=12時間
オンライン塾にすることで1カ月で12時間の勉強時間が生まれます。
さらにこれを1年と考えると、12時間×12カ月=6日間分
これだけの時間があれば参考書を2、3周は解けます。
このようにオンライン塾では勉強時間を最大限にすることができます。
またスマホがあれば勉強できる場合がほとんどなので、場所の制約もなく隙間時間で勉強することが可能です。
映像授業は1コマの授業を短めに設定していることも多く、10分ほどで1つの動画が見終わることも。
早朝でも深夜でも授業を視聴できるので、自分のスタイルで勉強ができるのもメリットです。
どちらも部活などで忙しい高校生にとっては嬉しいポイントですね。
どこに住んでいても自分に合った授業を受けられる
人の多い都市部に比べて子どもの少ない地域では、そもそもあまり塾がありません。
塾に求めることはさまざまです。
- 自宅学習がうまくいかないから改善したい
- 今の塾の先生と相性がよくないけど選択肢がない
- もっとどんどん勉強を進めたい
- 学校の補習をしてほしい
それぞれ塾に求める希望がある中、選択肢が少ないと自分にぴったりの塾がない可能性もあります。
とくに大学受験となれば、どの塾で勉強するかは合否を左右する重要事項です。
- 自分の志望校の傾向に合った指導をしてくれる
- 志望校の情報が多い
- 志望校の出身者がいる
などの条件を満たす塾は、塾の少ない地域ではなかなか見つからないでしょう。
オンライン塾であれば住んでいる場所を問わず、自分の希望に合った塾を探せます。
繰り返し授業を受けられるケースも
映像配信型のオンライン塾は、好きなだけ繰り返し授業を見られます。
また集団授業の場合でも、ライブで行った授業を録画していてそれを後から見返せる場合もあります。
反復できることで、わからないところを納得するまで繰り返せたり、繰り返すことで頭に残りやすいのが大きなメリットです。
ただし、個別授業の場合授業を録画するケースはあまりありません。
その代わり映像授業を配信していたりもするので、各オンライン塾のサポートサービスもチェックしてみてください。
送り迎えの負担なく安全
毎日塾への送迎が必要な場合、短い時間でも忙しい親にとっては負担になります。
オンライン塾なら学校から帰ってきたら、すべて家の中で完結するので親も非常にラクです。
また塾に通うとなると帰宅が11時近くになることもあります。
もう高校生とは言え、あまりにも夜遅いと子ども側も怖いですし親側も心配ですよね。
自宅で授業が受けられれば夜道を高校生が歩く心配もなく、余計な心配をしなくて済みます。
感染症対策
オンライン塾はインターネット環境の発達とコロナウイルスの感染拡大をきっかけに増えました。
コロナに限らずいつ感染症にかかるかは誰にも予測できないことです。
オンライン塾なら自宅にいながら受験勉強も進められます。
受験本番の大事な時期に風邪をもらってしまって、実力を発揮できなかったとなれば非常に悔しいでしょう。
オンライン塾であれば感染症にかかる可能性も減らせます。
オンライン塾があっているのはこんな人
ここまでオンライン塾のメリット・デメリットを紹介してきました。
最後にオンライン塾が向いている人をまとめます。
- 勉強時間を最大限確保したい
- 忙しい
- 塾の費用はできるだけ安いほうがいい
- 通える範囲に自分に合った塾がない
- スマホを使って隙間時間に効率的に勉強がしたい
紹介したデメリットの部分も、塾側でサポート体制を整えていることが多いです。
デメリットの部分が気になる場合は、どんなサポートをしているかまでチェックしてみてください。
ハイブリット型や併用という選択肢もある
対面型の塾かオンライン塾かを決めすぎる必要はありません。
塾によっては、対面とオンラインをその日によってどちらにするか選べるハイブリット型もあります。
またオンライン塾は費用の安さがメリットですから、対面型の塾とオンライン塾を併用する使い方もあります。
オンライン塾でも十分に勉強はできる!
高校生でもオンライン塾で十分な勉強をすることができます。
オンライン塾独自のデメリットもありますが、それをサポートする体制が整っている塾もとても多いです。
大切なのは自分が勉強に真剣に向き合える塾を選ぶこと。
自分の弱点・オンライン塾の弱点を把握した上で、それを補ってくれそうな塾を選んでくださいね。