推薦入試対策が本格化してくると、自己推薦書の悩みも増えます。
自分をPRするのが苦手な人も多く、書く内容や書き方に迷う人も。
しかし合格するためには、他の生徒よりも目に留まる自己推薦書を書かなければいけません。
この記事では、自己推薦書とは何か、志望校に合格できる自己推薦書の書き方について詳しく紹介します。
自己推薦書の書き出しは?基本の書き方
試験官は何十もの自己推薦書に目を通します。
その中で目に留まる・印象に残るためには、書き出しが非常に重要です。
書き出しがうまいと、その後の文章の印象が良くなる効果もあります。
もちろん、自己推薦書の中身もとても大切です。
ただ魅力的な文章でも、書きだしの印象で全体の評価がマイナスになってしまうことも。
書き出しで魅力を感じてもらえないと、中身をしっかりと読んでもらえない可能性もあります。
印象に残り、続きが気になると思える書き出しなら試験官の印象もUP。
とは言え、すぐに自己推薦書を書き始めてはいけません。
まずは自己推薦書の基本をおさえましょう。
自己推薦書と志望理由書は中身も違う!
総合型選抜や学校推薦型選抜では、提出する書類が複数あります。
中でも自己推薦書と似た書類に志望理由書があります。
これらは似て非なるもので、書く内容も異なる書類です。
- 自己推薦書
:自己アピールを書く書類。自分がどんな人間でどんな強みがあるかをPRし、自分が入学するにふさわしい人物であることを説明するための書類です。
- 志望理由書
:大学や学部になぜ入りたいのかを書く書類。大学や学部を志望する理由を書きます。
このように自己推薦書と志望理由書は異なります。
ただ、大学によってこれらの位置づけは異なるので注意してください。
大学によっては志望理由書がなく自己推薦書が志望理由書を兼ねる場合もあります。
その場合、自己アピールに加えて志望理由を内容に入れる必要がありますね。
また自己推薦書の形式も大学によって異なり、文章だけで書くもの、絵や図を使ってもよいものなどがあります。
大切なことは、大学がその書類を通して何を求めているのかを把握すること。
自己推薦書の位置づけや形式は、必ず志望校ごとの傾向に沿って判断しましょう。
自己推薦書の基本構成
自己推薦書は4部構成の書き方が基本です。
<基本構成>
1、自分のアピールポイントや強みを書く
2、それを裏付ける理由(具体的エピソード)
3、それを受けて将来はこうしたいと考えている
4、だから貴校○○学部に進み●●を学びたい
最初にアピールポイントをはっきり書くことで、これから何について書くのかが伝わり、尚且つ内容に興味を持ちます。
そして2で裏付けを書き、1に説得力を持たせます。
1と2の流れを受けて、3で将来のビジョンを語りましょう。
将来のビジョンが具体的だと文章の説得力が増すので、できる限り具体的なビジョンを書けるとよいです。
そして最後に、4で「だから志望校に進んで学びたい」と締めくくるのが自己推薦書の基本構成です。
高評価を得る自己推薦書のポイント5選
ここからは自己推薦書で合格するための5つのポイントを解説します。
ポイントを押さえて、受かる自己推薦書に近づきましょう。
1印象的な書き出し
印象に残るためには、続きが読みたいと思える書き出しを考えましょう。
印象に残るためにはだらだらと長い文章はNG。
簡潔な言葉で自分について、短く文章にするのが良いです。
例)
自分は○○です。
私の強みは○○です。
端的な文章でまとめてあると、試験官も「ここからこれについて説明するんだな」と読む姿勢ができます。
もっと言えば「これはどういう意味だ?」「どういうことなんだろう」を読み手に思わせられれば勝ちです。
ただ、こうした書き出しは他の受験生も同じようにやっているケースも少なくありません。
そのため、○○の部分はできるだけキャッチーな言い回しを考えましょう。
例えば、「私は向上心があります」でも良いですが「私はハングリー精神が強いです」の方が貪欲さが伝わることがあります。
言葉一つで印象がまったく異なるので、他の言葉で表せないかなど考えてみると良い書き出しが見つかるかもしれません。
2結論を先に述べる
構成にもあったように強みやアピールポイントは先に言い切る形で書きます。
最初に言い切らないと、読み手はいつまでも文章を「これは何が言いたいんだ?」と探しながら読むことになります。
書き手の主張を探しながら読むのは、読み手にとってかなりストレスです。
そしてどうしても「何が言いたいのかわからないなぁ」という印象になってしまいます。
それを避けるためにも結論は先に言い切りましょう。
結論が先にあれば後はその理由を求めて読むだけになり、読み手からすればストレスが減ります。
これだけでグッと読みやすい文章になりますよ。
3読みやすい文章で書く
読みやすい文章は、1つの文が長くても40文字程度とされています。
書きたいことがたくさんあると、1つの文章にたくさんの意味を詰め込みたくなってしまいますがそれはNG。
吹奏楽部の部長である私は、高校の吹奏楽部の活動に最も力を注いでいたが、挫折をきっかけに部員を束ねることに自信がなくなり、何度もくじけそうになったことがあった。
私は高校の吹奏楽部の部長で、吹奏楽の活動に最も力を注いでいた。
しかし、挫折をきっかけに部員を束ねることに自信がなくなり何度もくじけそうになった。
だらだらと文章を続けてしまうと、読み手にとっては要点が読み取りにくくなります。
40文字程度以下を目安に文章を分けることで、言いたいことが伝わりやすくなりますよ。
できるだけ回りくどい言い方を避け、分かりやすい言葉で簡潔に書くことも重要です。
4アピールポイントは絞る
自分の長所がたくさんあればすべて全力でアピールしたいところですが、それはNGです。
あれこれもと自己推薦書に詰め込んでしまうと、全体が文章としてまとまりません。
たくさんアピールできたとしても、「で、一番言いたかったことは何だったの?」と読み手に思われてしまうかもしれません。
アピールできることがたくさんあるのだとしても、伝え方が悪ければ合格できません。
いかに上手に伝えるかも審査対象です。
アピールポイントは多くても3つまで。
基本は1~2つ。
おすすめは1つのポイントを深く掘り下げることです。
ちなみに、自己推薦書の指定字数は約800~2000文字程度です。
この文字数に対して9割程度書けている必要があります。
指定字数は大学によって変わるので、志望校の文字数がいくつかによってもアピールポイントの数は変わるでしょう。
その点はケースバイケースなので、志望校の傾向を考えながらアピールポイントの数を決めてください。
5出願校を分析する
どんなに素晴らしい実績があっても、学校が求めるものと違っていたら合格できません。
そのため出願校の分析は必ずしましょう。
特に総合型選抜の場合、アドミッションポリシーをよく理解しておくことが必須です。
推薦において「自分は大学が求める人物像に合致する人間である」と、アピールすることは非常に重要です。
自分の経験をうまくアドミッションポリシーに関連付けましょう。
出願校を分析する場合は、次のことを必ずチェックし理解しておかなければいけません。
- アドミッションポリシー
- 教育方針
- 教育理念
- 創立者の人物像
- 卒業後の進路
アピールポイントや具体的な経験の選定は、こうした出願校の分析をしてから行うのが良いです。
出願校が求める学生を理解した上で、それにからめたアピールポイントや自身の経験をピックアップします。
あるいは同じアピールポイントや経験でも、出願校の特色に合ったアピールの仕方で文章を考える必要があります。
入りたい大学の研究は必須です。
大学について深く知ることで、試験官にも「この学生はよく調べてるな」と思わせることができますよ。
自己推薦書は自分をアピールできるチャンス!
たくさんある書類の中でも自己推薦書には頭を悩ませる受験生が多いです。
自己推薦書を元に面接が進むことも多いので、適当にはできず、ある程度時間がかかります。
面倒に感じる生徒も多いですが、何度も書き直したり添削してもらえたりするのは、本番一発勝負よりむしろお得だと考えましょう。
さらに自分で内容を考えて出願校に自分をアピールできるのですから、これ以上ないチャンスでもあります。
学校の先生や塾の先生のサポートを可能な限り受けながら、魅力的な自己推薦書を書いてくださいね。