「美術なんて進路と関係ないんだから勉強しても意味ないじゃん!」と思う高校生も多いです。
確かに部活や受験勉強で日々忙しい高校生にとって、副教科まで勉強する時間はとりにくいかもしれません。
しかし、実は副教科の知識が受験に登場することもあります。
この記事では、高校生にとっての副教科の重要性・成績や進路との関係について詳しく解説します。
副教科の授業や勉強は必要
結論から言うと副教科(保健体育・音楽・技術家庭科・美術)の授業や勉強は必要です。
よく、社会に出ると副教科の方が大切と言われたりもしますがその意味だけで必要なわけではありません。
大学受験で必要なのです。
これは副教科の内容が、他の受験科目とからめて出題されることがあるため。
もちろん副教科で出てくる専門的な内容や用語を知らなければ解けない、というような問題は出てきません。
数学なら数学、理科なら理科の範囲内できちんと解ける内容にはなっています。
ただ、知っていれば問題内容の理解がしやすいので問題文を読みやすい・早く理解しやすいという利点があります。
とくに近年、教科横断型の出題が大学受験において増加傾向です。
教科横断型というのは複数教科をまたぐということで、複数教科の要素がミックスされた問題が出題されることがあります。
従来は単純な知識を問う比重が大きかったのに対し、これからは知識を使った応用力を評価していこうという教育のトレンドでもあります。
こうした傾向を考えると、副教科も成績や進路に関わる重要科目だと言えます。
副教科の内容が受験に出ることもある
実際に副教科の内容が受験で出題された例もあります。
2021年共通テスト数学ⅠA第2問では、陸上競技の「スライド」と「ピッチ」に関する、2次関数・データの分析の問題が出題されています。
これらの言葉は体育の教科書に載っている言葉です。
知らなければ解けないというわけではなく、スライドやピッチという言葉自体の定義は文章内で説明されています。
ですが知っていれば文章の内容を具体的に想像するのも簡単になり、問題を解くのもスムーズになるはずです。
他にも数学ⅠAでBMI(体育)に関する問題が出題されたことや、化学で繊維(家庭科)の問題が出題されたこともあります。
家庭科で出てくるアクリルやナイロンといった繊維は合成繊維の仲間です。
合成繊維は合成高分子化合物を繊維として利用しており、付加重合で作られるのがアクリル、縮合重合で作られるのが6,6-ナイロン。
家庭科の繊維の話から化学に話を展開させるのは割と簡単です。
副教科の授業では何か受験に生きる知識があるのでは!と思いながら受けてみるのがおすすめです。
推薦を目指すなら成績も重要
推薦を目指している人は定期テストの結果が重要です。
そのため推薦での入試を目指している人は、副教科のテストも大切にしましょう。
体育は苦手だから諦めた、では体育の成績が全体評定の足を引っ張ってしまいます。
先生も人によって得意不得意があるのはよくわかっていますから、苦手なら苦手なりに努力や工夫する姿勢を見せることが大切。
そして実技が苦手なら、テストでは高得点をとれるようにしっかり対策しましょう。
実技ができるからテストは適当はNG
ときどき実技ができているから副教科はテスト勉強しなくても大丈夫と考えている高校生がいます。
ピアノを昔から習っている人なら、音楽の授業では苦労せずに結果を残しやすいです。
音楽記号や作曲者名に関しても、すでに知っていることが多いでしょう。
それでも曲の時代や楽器の名前など、全ての知識を網羅できているわけではありません。
何も対策せずにテストに臨んでしまうと、テストで高得点は難しいです。
その結果せっかく実技ができてるのにテストが足を引っ張って、音楽の評定が下がってしまうかもしれません。
もし推薦で必要な評定平均が4.0だった場合、音楽で3.0なら他でカバーしなければいけません。
逆に音楽5.0なら他の教科をカバーできる武器にもなります。
得意な教科なら一層、テストで高得点がとれるように頑張ってください。
効率的に勉強すればむしろお得な教科
他の主要教科に比べて、副教科は少しの対策でテストで高得点をとりやすい教科です。
主要教科ともなれば頑張っても高得点をとれないこともありますが、副教科ならやれば高得点をとれる可能性が高いです。
副教科のテストは、授業中に配られたプリントやワーク内から出題されることが多いです。
あまり変化球の問題が出ることはなく、教科書、プリント、ワークに載っていることがそのまま穴埋めで出されたり、問題がそのまま載ったりするケースが大半。
副教科の先生も、このテストで意地悪な問題を出してやろう!とは思っていません。
先生たちも生徒たちに大学受験で結果を出してほしいと思っていますから、むしろ点数をとりやすいようにしてくれていることも多いです。
狭い範囲を完璧にすれば応用問題などほとんどなく点数をとれるという意味で、副教科はお得な教科です。
実技が苦手な人はテストでカバーできますし、実技が得意な人もテストも完璧にして評定を手堅いものにできます。
副教科は効率的に対策を
受験に関係ない科目に時間をかけたくない気持ちも分かります。
けれどやった方が実はお得な面がたくさんあります。
毎回のテスト前に時間がなくて副教科まで手が回らないという方は、塾などの助けを借りる選択肢も。
効率的な勉強方法を考えながら、隙間時間に副教科を勉強したりして効率的な対策をしてみてください。。