中学と高校の数学は全くの別物なので、高校生になって数学が苦手になったという人も多いです。
けれど、難しくなったんだから仕方がないと諦める必要はありません。
苦手と思っていても、克服する方法はあります。
この記事では、高校数学を苦手に感じる原因・克服するための具体的な方法について解説します。
高校生で数学が嫌い・苦手になった原因
高校生になって内容が難しくなると、急に数学が苦手になってしまう人は続出します。
その苦手を細かく分析してみましょう。
何が苦手の原因なのか具体的に理解することで、苦手克服の糸口につながります。
急に難しくなる
高校数学の勉強量は、量や難易度を考えると中学数学の5倍くらいになると考えてください。
難しく多い内容を中学校と同じ3年間で習うので、授業進度は当然早くなります。
速く進む授業に追いつこうと板書を一生懸命写しますよね。
けれどどんどん進む授業に板書が追いつかないこともあるし、書くことに集中して説明が聞けないことも出てきます。
教科書の内容は中学よりも高度なので、自分で読んでもいまいちピンとこない。
多くの時間を使って理解しようとしても、腑に落ちず、何となくの理解のまま進んでしまうことも。
そのまま勉強を進めても、分からないが積み重なって解ける問題が少なくなります。
そうすると自力で追いつくのが困難になって苦手意識が大きくなってしまいます。
イメージしにくい抽象的な問題が増える
そもそも数学はxやyなど、具体的な数字ではなく、数式を一般化して考える学問です。
抽象化された考え方で問題を解くのが数学なので、苦手な生徒にとって高校数学はさらに理解に苦しむところでしょう。
高校数学は抽象化された問題内容を想像し、必要な場合は図形にして表す力がなければ解けません。
問題文の内容をイメージできないという人は、苦手意識も大きくなります。
複雑な計算処理が必要になる
中学数学では、公式に問題の情報をあてはめれば解ける問題も多くあり、計算自体もそこまで複雑なものはありませんでした。
しかし高校数学になると計算のルールも多くなります。
この式の場合はどのルールを使って計算すればいいのか?と分からなくなることもあります。
すると基本的な式変形を間違えたり、わからなかったりして問題を解けません。
少し複雑でも計算はすべての問題に通ずる力です。
四則演算の基本を押さえるなどして、土台を固めるようにしましょう。
独特の数学的な言い回しが増える
- 限りなく0に近づくとき
- 〇〇と定義する
- 任意の~
- ~を除いて一意的である
など数学独特の表現が増えることも苦手意識を大きくする原因のひとつです。
数学が苦手な人にとっては、これらの言葉を見るだけでも嫌になってしまうかもしれません。
ただこれらの言葉は慣れていないだけで、使いどころや解き方との関係性がわかれば解答の際の大きな情報です。
苦手だからといって遠ざけているといつまでも慣れないので、分かりにくい言葉こそ積極的にチャレンジしていきましょう。
数学嫌い・苦手な人のよくあるパターン
数学が嫌いになってしまう・苦手に感じる人のよくあるパターンが以下です。
- 解説を読んでもわからない
- 頑張って理解して次の問題へ進む
- 解けない
- 解説を見てもわからない
- 面白くない
- やる気を失う
- 母「勉強しなさい」と言われてさらにやる気消失
数学で重要なことは知識よりも理解することです。
そもそも最初の理解が不十分だと、その後自分なりに頑張ってみてもうまくいきません。
頑張っているのに結果に繋がらなければ、勉強はつまらないですよね。
数学嫌い・苦手を克服する方法5つ
数学は知識をインプットし、理解して、アウトプットする練習を繰り返してやっとはじめて自分のものになります。
テストで問題が解けるようになるまで時間がかかるので、途中であきらめてしまう人も多いです。
ここでは、数学嫌い・苦手を克服する方法を5つ紹介します。
四則演算の基本を振り返る
+-×÷の基本や( )、分配法則など基本の計算は完璧でしょうか?
それくらいはできるよと思っている人でも、式が複雑になるとできなくなります。
数学は積み重ねて学んでいく科目なので、苦手な単元の原因があったらその前の単元に戻るのがおすすめ。
ただ、苦手単元がわかっていてもどの単元にどこまで戻ればいいのか分からない人もいるでしょう。
そんな場合は学校の先生に具体的に戻るべき単元を聞くが、塾の先生に教えてもらうのがよいですよ。
等式変形をマスターすることは、物理・化学の解答力にも生きるので、ぜひ四則演算の基本をしっかりと固めてください。
板書を写すことより問題演習が大事
板書を写すのに追われて説明を聞けなかったという人は、授業の受け方を見直しましょう。
板書を綺麗にとろうとする人や、何度もペンを持ち換えている人は危険。
極論は、問題の解き方が理解できれば板書はとらなくてもOK。
板書が追い付かない人は、説明が聞けないときは諦めて、後から抜けているところを先生に聞いてもOK。
あるいは教科書にメモを追加する程度にしたり、予習をしてから授業に臨むと余裕ができるのでおすすめです。
後から板書を見返して理解できればいいのでは?と思うかもしれませんが、それなら教科書を読んで自分で勉強を進められるはず。
授業では先生の言葉にしっかり集中しましょう。
典型的な問題の解き方は覚えてしまう
高校の定期テストや大学受験では限られた時間内で問題を解ききる必要があります。
その中で全ての問題を、その場の思考力で突破しようとするのは不可能です。
ある程度「この手の問題はこう解く」と解答パターンを身につけた方が時間を有効に使えます。
定期テストでは大半が、典型的なパターンの問題ですから、教科書の例題などで解き方を暗記してしまえば高得点を狙えます。
ただし入試で数学を使う場合、同時に「なぜその解き方になるのか」を深く理解しなければいけません。
暗記だけで対応していってしまうと、いざ大学受験が近くなったときに忘れていたり、単元理解に影響が出たりします。
大学受験の試験は解法の暗記だけでは乗り越えられません。
公式は暗記し、証明できるようにする
公式は暗記するだけでは不十分です。
公式を完璧に暗記するのは当たり前で、それを使いこなせるように演習を重ねます。
そして公式に関しては、それを証明できるようにしておくことも重要です。
公式を証明する問題は大学受験で出題されることがあります。
一度志望校の過去問で、公式の証明が出たことがないか確認してみるのもいいでしょう。
とにかく手を動かして書くことが大事
数学では典型パターンの解法などを暗記することも重要ですが、とにかく書いて考えることももちろん重要です。
考えた過程を紙に書かずに頭の中だけで考える人もいますが、それはミスの原因に。
もし定期テストなどで書かずに解答すると、後から自分がどんな考えをしてどこで間違ったのかを知ることもできません。
テストは自分の弱点を知るためのもの。
次に生かせないテストは、テストの役割が半減してしまいます。
テストの最中も、自習のときもとにかく手を動かしましょう。
図にわかることを書き込んだり、とりあえずわかるところまで解いてみたりしているうちに、正解のきっかけにたどり着くことはたくさんあります。
すぐに結果は出ない!それでもあきらめず理解重視の勉強を
数学は英語同様、積み重ねの学問なので一度つまずくとそこを徹底的に対策しなければ先に進めません。
すでに苦手だと自分の力だけで対処できないこともあるので、そのときは学校の先生や塾の先生の力を借りてくださいね。
「頑張っているのにやっぱりできない」と思う人もいるでしょう。
数学はやったらすぐにできるようになる科目ではありません。
すぐに結果が出なくても焦らないでください。
1つひとつ丁寧に理解していけば必ず成績が上がるのも数学です。
最初は少し我慢して、コツコツと数学の勉強を積み重ねてあげてください。